後期中等教育段階以降

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【26】ヒトの脳機能の最近の計測方法と心理学的検査法

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後期中等教育段階以降
カテゴリ
理解啓発等に関すること

「障害児教育と関連した脳科学的研究の方法論:ヒトの脳の形態と機能の計測及び心理学的検査(平成18年3月)」より 

 キーワード: 脳の形態画像、脳機能画像、fMRI、近赤外線分光法、PET、神経心理学的検査、高次脳機能検査 

 


【PDF版】


【この研究では】 
 近年の脳科学の発展は急速で著しく、その中で最も注目されているのが、遺伝子を含むゲノムやそこから作られるタンパク質に関する分子生物学の研究と、ヒトの脳機能をほとんどもしくは全く侵襲なく計測できる技術が実用化されたことによる脳機能画像学的研究でしょう。

 前者の分子生物学の研究からは、脳の発達やその障害についての基礎的で重要な知見が蓄積されつつありますが、障害のある子どもの教育への応用にはまだ距離が大きい段階にあります。

 一方後者は、障害のある子どもの教育にただちに応用できる可能性を持っています。現時点では、障害と関連した脳機能の特性が主に研究されていますが、教育的支援に示唆をあたえる所見も一部で得られつつあります。そこで、ここでは後者のヒトの脳機能の計測方法と、その計測時の課題賦課や臨床面で重要な心理学的検査法についてまとめ、国立特別支援教育総合研究所の研究紀要第33巻で紹介しました。


【研究をして見えてきたこと】その1 
 ヒトの脳機能の計測は制約が大きいため、1929年に脳波が開発されて以来長い間、脳波のみがヒトの脳機能計測の唯一の手段でしたが、脳波は脳機能を調べるという点からは限界が大きかったため、動物実験が主となっていました。しかし、精神機能等は動物を対象として研究では限界があります。そこでヒトの脳機能を計測する技術の開発が行われ、1980年代後半から1990年代の前半にかけて様々な脳機能の計測法、特に脳機能を画像化して調べる方法が開発されたり実用化のレベルに達したりしました。これらの方法はそれぞれ一長一短がありますが、近年最も多く用いられているのが機能的MRIであり、簡便で今後の応用が期待されるものに近赤外線分光法イメージング(NIRSi)があります。これらの特徴を表1に示しました。

 脳機能については、心理学的検査法で臨床的に調べる方法も多く開発されてきています。標準化された知能検査法であるWISCIIIやK-ABCからも有用な情報が得られ、神経心理学的な検査法としては、大脳の前頭葉機能を調べるウィスコンシン・カード・ソティング・テスト(WCST)やストループ・テストがあり、臨床的な分野で利用されています。

 

【研究をして見えてきたこと】その2 


【研究組織】 
 渥美義賢・ 玉木宗久・篁 倫子・海津亜希子 


【もっと詳しくお知りになりたい場合は】 
 国立特別支援教育総合研究所の研究紀要第33巻は、研究所webページにて全文掲載されています。 
 https://www.nise.go.jp/kenshuka/josa/kankobutsu/kiyo33/A-33_01_03.pdf


【本研究紹介シートの文責】 
 渥美 義賢 


本研究紹介シートは、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所で行った研究を基に作成しています。