状況に関係のない発言をするのですが・・・(※関連動画あり)
関連動画
こちらも併せてご覧ください。
研修講義「(6)乱暴な言葉や態度を示す子」
研修講義「(8)状況に関係のない発言をする子どもの理解と支援」
具体的なつまずきの例
こうじ君は、あいまいな伝え方をすると行動できなかったり、何度も同じことを聞き直して確認したりすることがあります。また、頭に浮かんだことをつい口にしてしまい、ときには相手を傷つけてしまうこともあります。
そこで、先生はアセスメント(子どもの様子をじっくりと見て、どんなことがこのつまずきに関連しているかを考えること)をしてみました。
担任の先生は、こうじ君への伝え方を工夫し、うまくいったときといかなかったときをメモしました。また、こうじ君と話をして、振る舞い方を知っているのかどうかを確認しました。
ここで行われたアセスメントのポイント!
- うまく行動できる伝え方をメモし、理解しやすい伝え方について検討する
- 振る舞い方を知らないのか、知っているけれどもできないのかを検討する
推測できるつまずきの要因
- 音声による伝え方では、話の内容以外のことに注意を向けてしまい聞き逃してしまう
- あいまいな表現や状況を理解することが難しい
- 他者の気持ちを理解することが難しい
- 何をどのようにすればよいのかがよく分からないため、不安である
- 気になったことや目についたことを、ついことばにしてしまう
指導編
具体的な指導・支援の例
アセスメントに基づいて、担任の先生は、次のような指導を行ってみました。
- 伝えるときには、できるだけ具体的なことばで話す
(例:「筆記用具を片付けなさい」→「鉛筆とけしごむを筆箱に入れなさい」など) - 活動全体の流れと現在の活動や話題が何かを文字もしくは絵で提示する
- 話をした後に、ときどきこうじ君に話の内容や状況について確認する
- 相手を傷つけるような発言をしたときには、後で話を聞き、相手の気持ちについて考える機会をもつ
行った指導・支援の意味
伝えるときには、できるだけ具体的なことばで話す
Aのように具体的な伝え方をすることで、何をするのかが分かりやすくなります。
活動全体の流れと現在の活動や話題が何かを文字もしくは絵で提示する
Bのように活動の流れや現在の活動や話題を視覚的に示すことで、いま行っていることと次の活動を理解することができ、見通しをもって活動することが可能となります。
話をした後に、ときどきこうじ君に話の内容や状況について確認する
Cのように確認したり説明したりすることで、誤った理解を修正することができます。
相手を傷つけるような発言をしたときには、後で話を聞き、相手の気持ちについて考える機会をもつ
Dのような機会をもつことで、状況に応じた振る舞い方や言い方を教えることができます。ほかにも困ったこと、分からないことをメモさせ、メモをもとに後で一緒に課題を整理すれば、困難な課題を整理し、どのように振る舞えばよいのかを学習する機会をつくることができます。
【文責:佐藤 克敏】