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当研究所の研究

【39】地域における障害のある子どもの総合的な教育支援体制の構築のため
段階: 乳幼児期段階
小学校段階
中学校段階
後期中等教育段階以降
カテゴリ: 支援体制に関すること

「地域における障害のある子どもの総合的な教育支援体制の構築に関する実際的研究（平成２０年３月）」より

　キーワード：　教育支援体制、地域づくり、教育・保健・福祉の連携　

【PDF版】

【この研究では】
　◯横須賀市をフィールドにして、横須賀市役所、神奈川県立保健福祉大学と共同研究を行いました。

　◯特別支援教育における医療、福祉との連携をテーマとし、地域づくりに関する開発的研究を行いました。

研究の目的は次の3つに集約されます。

（1）横須賀市の事業計画に参画し、横須賀市の教育、保健、福祉の事業に関する検討すること。

（2）横須賀市と協働して、市の教育、保健、福祉の具体的な事業に参画し、その中から得た知見を整理すること。

（3）横須賀市の教育、医療、福祉の新たな地域の総合的な教育支援体制の構築をめざした取り組みに参画すること。

研究結果を以下のような内容で整理し、報告書にまとめました。

図：報告書の内容

【研究をして見えてきたこと】
　本研究では、地方公共団体と共同して行うため、多岐にわたる内容を取り扱ってきました。
障害のある子どもの教育支援体制に関する基礎理論を整理しました。（第２章）地域における障害のある子どもの総合的な教育支援体制の構築について、方向性を出すためにさまざまな基礎理論を概観し、教育支援体制の構築と「地域づくり」の関連についてまとめました。おさえておかなくてはならない内容を以下の章のようにまとめました。
国の施策動向と関連する概念を整理しました。（第３章）地方自治体の施策は、国の施策動向と関連しているためその内容を概観しました。また、様々な立場の人々が協働して取り組む際、関連する概念を整理する必要があることから、中心的なキーワードとなる内容をまとめました。
他職種連携の実践事例をまとめました。（第４章）地域では、子どもや関係者に近いレベルで様々な専門家が協働しながら取り組む必要性があることからその事例をあげました。
横須賀市の実践事例をまとめました。（第５章）　実際に横須賀市と協働して取り組んだ活動の一部を研究的にまとめました。
地域づくりの実践事例をまとめました。（第６章）「地域づくり」の実践事例についてまとめました。障害のある子どもへの教育支援体制と各地方自治体が行っている「地域づくり」が密接に関連していることが明らかになりました。「地域づくり」の基礎理論や実践事例に関して、今後さらに調査をすすめ、次の研究に進んでいくことを計画しています。
障害のある人への施策と経済原則との連動の課題について取り上げました。（シンポジウム記録）行政的な事業の実施には、経済学的な視点が不可欠なことからシンポジウムを企画し、その記録を掲載しました。障害のある人への施策が必ずしも経済原則と連動していない状況が明らかになりました。シンポジウムを受けて、当事者や保護者、支援者の意識改革の方向性を経済学の観点からも考えていくことを今後の研究の方向性の一つとしていきたいと考えています。

＊本研究を通して、特別支援教育を推進し、障害のある子どもの総合的な教育支援体制を構築する上で、障害のある子どもという切り口だけではなく、どの子どもにも必要な支援方法という機軸の提示、各地方自治体が行っている「地域づくり」との連動がたいへん重要である事が明確となりました。＊

【研究組織】
　横須賀市役所

　神奈川県立保健福祉大学

　国立特別支援教育総合研究所

　【平成16年度】研究代表者：後上鐵夫、西牧謙吾

　研究分担者：當島茂登、久保山茂樹、滝坂信一、小林倫代、大柴文枝、伊藤由美、植木田潤、亀野節子

　【平成17年度】研究代表者：後上鐵夫、西牧謙吾

　研究分担者：當島茂登、久保山茂樹、滝坂信一、小林倫代、大柴文枝、小澤至賢、伊藤由美、植木田潤、亀野節子

　【平成18年度】研究代表者：後上鐵夫、西牧謙吾

　研究分担者：當島茂登、藤井茂樹、滝川国芳、久保山茂樹、齊藤由美子、小林倫代、大柴文枝、大崎博史、小澤至賢、伊藤由美、植木田潤、亀野節子

　【平成19年度】研究代表者：小澤至賢

　研究分担者：西牧謙吾、當島茂登、藤井茂樹、滝川国芳、久保山茂樹、齊藤由美子、後上鐵夫、小林倫代、大柴文枝、大崎博史、伊藤由美、植木田潤、亀野節子