音読が苦手なのですが・・・(※関連動画あり)
関連動画
こちらも併せてご覧ください。― 研修講義「(4)音読が苦手な子」
具体的なつまずきの例
ひさお君は読むことが苦手です。教科書を読むときも逐字読み(例:きょ・う・は・あ・め・で・す)になりがちです。
そこで、先生はアセスメント(子どもの様子をじっくりと見て、どんなことが このつまずきに関連しているかを考えること)をしてみました。
担任の先生は、ひさお君の、聞いたり、話したりする力はどうかをまずはチェックしました。その結果、聞いたり、話したりする力はとても良好でした。そこで、読みについての指導を開始しました。
ここで行われたアセスメントのポイント!
- 困難な領域(この場合「読み」)だけでなく、聞く、話す力など、関連領域についても実態把握を行う
- 多くの領域(「聞く」「読む」等)は互いに関連し合っていることも多く、つまずきの領域だけでなく、このような総合的な実態把握をする
推測できるつまずきの要因
- 形を正確に捉えることが難しい
- 文字から音への変換が難しい
- 一度に多くのことを処理できない
指導編
具体的な指導・支援の例
アセスメントに基づいて、担任の先生は、次のような指導を行ってみました。
- 事前に読むところを伝え、家で練習させる
- 文章に関係のある絵を用意する
- 分かち書きにする
- 漢字にふりがなをつける
- 教科書の文字を拡大する
行った指導・支援の意味
事前に読むところを伝え、家で練習させる
Aのように内容理解を事前に促すことで、授業への参加・意欲が高まります。
文章に関係のある絵を用意する
Bのように視覚的な支援があることで、推測して読むことが可能になります。
分かち書きにする
自分でまとまりのある文章に分解することが難しいので、Cのように事前に意味のまとまりで文字を区切り、視覚的にとらえやすくしておきます。
漢字にふりがなをつける
Dのように、漢字にふりがなをふることも、読みに関する負担を少しでも軽減するためです。漢字の読みに困難がなければ、特にする必要はありません。
教科書の文字を拡大する
Eについては、文字サイズは、子どもによって読みやすいサイズがあるため、必ずしも大きな文字にすればよいというものではありません。子どもと相談しながら、最適なサイズを見つけていくことが必要です。
【文責:海津 亜希子】