読解が苦手なのですが・・・
具体的なつまずきの例
かつこさんは読解問題が苦手です。音読は、比較的スラスラとできますが、内容について問われると的確に答えることができません。
そこで、先生はアセスメント(子どもの様子をじっくりと見て、どんなことがこのつまずきに関連しているかを考えること)をしてみました。
担任の先生は、かつこさんが、読解問題の中でもどういう問いでつまずくのかをチェックしました。結果、主題を問う問題を解くのが難しいことが分かりました。誤答のパターンとしては、文章をそのまま抜き出して答えにすることが多いようでした。そこで、読解についての指導を開始することにしました。
ここで行われたアセスメントのポイント!
- 単に内容理解が困難といった捉えだけでなく、「主題が何であるかを指摘することが難しい」といった詳細なつまずきの把握を行う
- 誤答にしても、どういうパターンが多いかを把握し、このような誤答パターンを分析することは、指導の際必要となる手だてを考えるうえでも役立つ
推測できるつまずきの要因
- ことばや単文レベルでの意味の理解が難しい
- 部分と部分(または全体)との関係を理解することが難しい
- 推測することが難しい
- いままで読んできた内容を頭の中にストックしておきながら、読み進めることが難しい
指導編
具体的な指導・支援の例
アセスメントに基づいて、担任の先生は、次のような指導を行ってみました。
- 文章に関係のある絵を用意する
- キーワードを丸で囲む(教師が行う)
- 段落の関係を図で表す
- 選択肢を用意し、どれが主題かを選ばせる
担任の先生が行った指導の意味
文章に関係のある絵を用意する
ことばや文の内容を理解することが難しい場合、Aのような視覚的な援助を行うことで、内容の理解を促すことができます。
キーワードを丸で囲む(教師が行う)
Bのようにポイントをしぼることで、文章内容をまとめることが容易になります。
段落の関係を図で表す
Cのように部分同士(部分と全体)の関係性を目に見える形で提示することで、関係性の理解が可能になります。
選択肢を用意し、どれが主題かを選ばせる
すぐに主題を記述することが難しい場合には、Dのように、選択肢から選ぶというようにスモールステップで行うことが重要です。
【文責:海津 亜希子】