書くことが苦手なのですが・・・(※関連動画あり)
関連動画
こちらも併せてご覧ください。― 研修講義「(5)書くことが苦手な子」
具体的なつまずきの例
ふみお君は書くことが苦手です。ひらがなやかたかなでは、鏡文字(例:「く」→「>」)や、似ている形の字の間違い(例:「シ」→「ツ」)が度々みられます。漢字についても細かい書き間違いがあります。
そこで、先生はアセスメント(子どもの様子をじっくりと見て、どんなことがこのつまずきに関連しているかを考えること)をしてみました。
担任の先生は、ふみお君の読みの力をチェックしました。同じような間違いが読みでも少しみられましたが、自分で修正しながら読むことはできました。さらに、どういう文字を間違いやすいかチェックしたところ、形の構成が複雑な文字ということがわかりました。そこで、書くことの指導を開始することにしました。
ここで行われたアセスメントのポイント!
- 困難な領域だけでなく、同じ文字でも読む方はどうかについて把握する
- 読みのつまずきが深刻な場合には、まずは読みからアプローチする
- どういう文字を間違えやすいかについても捉える
- 丁寧に把握することで、子どものつまずきの要因を推測する
推測できるつまずきの要因
- 形を正確に捉えることが難しい
- 形を正確に記憶することが難しい
- 目と手を協応させることが難しい
指導編
具体的な指導・支援の例
アセスメントに基づいて、担任の先生は、次のような指導を行ってみました。
- 鉛筆や消しゴムなどは、つかいやすいものを用意する
- マス目の大きいものや罫線のある用紙を用意する
- 授業ではなるべくワークシートを使う
- 文字を練習する際、ことばによる意味づけを行う
- 漢字テストなどでは、大まかに書けていれば正解または準正解にする
担任の先生が行った指導の意味
鉛筆や消しゴムなどは、つかいやすいものを用意する
特に不器用さがある場合には、Aのような用具に関する配慮は必須になります。
マス目の大きいものや罫線のある用紙を用意する
Bのような配慮は有効ですが、その子どもだけ特別なものを用意するのではなく、必要な子どもには誰でも使えるようにするなどの配慮も必要です。
授業ではなるべくワークシートを使う
Cのように、書く作業の負担を減らすことで、授業での内容の理解や、重要事項を考えることに集中できます。
文字を練習する際、ことばによる意味づけを行う
Dのようにことばによって意味づけすることで、記憶する際の手助けになります。
漢字テストなどでは、大まかに書けていれば正解または準正解にする
取組への意欲を低下させないためにもEのような配慮は必要です。
【文責:海津 亜希子】