教材教具・支援機器のモニター調査報告


年度
平成21年度
対象とした子どもの学年
小学2年生
支援内容
自主学習の支援
使用場面
特別支援学級

対象とした子どもの概要

軽度知的障害のある児童。医療機関を受診し,ADHDの診断と同時に服薬を始めてから,多動性・衝動性の部分はおさまっている。服薬以前は、落ち着いて学習に取り組むことが難しく、ひらがな、カタカナ、漢字の全ての書字、読字がうまくいかない状態であった。

目的

服薬後は、落ち着いて学習できる状態になったことから、本人の学習意欲が増してきたことをきっかけに、読むこと、書くこと、計算することといった基本的な事項を本人の能力にあったペースで学習させ、確実に身につけさせる。

使用方法・内容
  • 国語の時間では、DS(なぞっておぼえる大人の漢字練習)を使った学習と、「ランドセル2年生」を使った漢字の読み、書きの学習を交互に行った。
  • 算数の時間では、「ランドセル2年生」を使って、自主学習という形で行った
使用の際の留意・工夫
  • 毎日2校時目を国語、3校時目を算数にして、同じリズム、流れで生活できるようにした。
  • 他の児童に気をとられないようにするため、パーテーションで仕切って、集中できるようにした。
  • 連絡帳を書くときなどでも「もちかたくん」をできる限り使用して、慣れさせるようにした。
  • 「ランドセル」では、授業で課題として扱うのは国語と算数だけとして、他の教科や「お昼休みコンテンツ」は、課題をクリアーした後のフリータイムにご褒美として扱うことにした。
使用時もしくは使用後の子どもの様子
  • 覚えにくい漢字は、何度も繰り返し練習し、連絡帳を漢字で書けるようにすることを目標に取り組んでいた。現在では、必要な漢字を全て使って書けるようになっている。
  • 「ランドセル」の算数では、概念をわかりやすく丁寧に映像で解説してくれるので、本児には特に有効だったように思う。時折補足説明をする程度で自分で学習できた。
  • 「ランドセル」の国語では、教科書の単元ごとに漢字と文章の読みの学習として主に扱ったが、繰り返し喜んで学習する姿が見られ、効果があった。
  • やりたいところを何度でも繰り返し学習できる。クリアーして行くたびにコインやお菓子をもらえ、それを使って「お昼休み」の中で楽しめることも、学習意欲を継続させる要因となっていたと考えられる。