作文が苦手なのですが・・・

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具体的なつまずきの例

よしと君は作文を書くことが苦手です。作文の時間では、白紙のまま提出することも少なくありません。
そこで、先生はアセスメント(子どもの様子をじっくりと見て、どんなことが このつまずきに関連しているかを考えること)をしてみました。

担任の先生は、よしと君の発表場面での様子はどうかをチェックしました。その結果、発表場面でも内容が乏しかったり、筋道がとおっていない様子がみられました。

 

ここで行われたアセスメントのポイント!

  • 作文(書く)という表現領域だけでなく、同じ表現領域である発表(話す)についても実態把握を行う
  • ほかの表現領域にもつまずきがみられる場合には、話す領域への支援を先行させるか、あるいは同時平行で行う
推測できるつまずきの要因
  • どのように表現したらよいかが分からない
  • 順序立ててものごとを考えることが難しい
  • イメージをふくらませることが難しい

 指導編

具体的な指導・支援の例

アセスメントに基づいて、担任の先生は、次のような指導を行ってみました。

  1. 発表・スピーチの授業も配慮する
  2. 何についての作文を書くか事前に予告しておく
  3. 作文の下書きやアウトラインメモを用いる
  4. 写真など、作文を書くときの手がかりを用意する

担任の先生が行った指導の意味

発表・スピーチの授業も配慮する

Aのように、同じ表現領域である「話す」に対しても配慮を行うことで、相乗的な効果がみられます。


何についての作文を書くか事前に予告しておく

テーマを告げられ、すぐに取りかかれることは少ないでしょう。Bのように、事前に考える時間、家庭で話し合う時間、家庭で話し合う時間が取れると、題材のヒントが得られやすくなります。


作文の下書きやアウトラインメモを用いる

すぐに原稿用紙に書くのは難しいので、Cのように、アウトラインメモをつくるようにします。「いつ」「どこで」「誰が」「何をして」「どう思ったのか」など、質問形式にしておき、そこにことばを入れられるようにしておくと書きやすいでしょう。またそのメモにしたがって清書すれば、順序立って作文を構成できます。


写真など、作文を書くときの手がかりを用意する

Dについて、遠足がテーマであれば、そのときの写真、社会科見学がテーマであれば、見学先のパンフレットなど、そのときの資料があると、イメージがわきやすくなります。


【文責:海津 亜希子】