Ⅱ 通級による指導の担当者の専門性に関する研修コアカリキュラムの検討

Ⅱ 通級による指導の担当者の専門性に関する研修コアカリキュラムの検討

 

 文部科学省では、障害のある方がその個性や能力を生かして活躍できる場のより一層の拡大を目指し、障害者雇用の推進や、学校教育、生涯学習、文化、スポーツの各分野において進められている障害者施策の中で、より重点的に進めるべき6つの政策プランを「障害者活躍推進プラン」(平成31年4月)として打ち出しています。プラン2では、「発達障害等のある子供達の学びを支える 〜共生に向けた「学び」の質の向上プラン〜」として、学校等における発達障害等のある児童生徒に対する指導や支援に関する知見を集約・整理し、教師に還元することで、通級による指導を含む特別支援教育の充実を図り、児童生徒の学びの質の向上につなげていくことについて、以下のように挙げられています。


(1)通級における指導方法のガイドの作成
(2)「家庭・教育・福祉の連携」の確実な推進
(3)教師の特別支援教育に関する専門性を高めるための仕組みの検討

 

 「障害者活躍推進プラン」を踏まえ、通級による指導の担当者が身につけておくべき専門性について、国や自治体の状況等、様々な資格認定の研修内容、先行研究及び大学教員や通級の担当経験のある教員等の意見等を参考に、専門性に関する項目と内容の整理を行い、通級による指導の担当者の専門性向上のための研修コアカリキュラム(案)を作成しました。

 

通級による指導の担当者の専門性に関する研修コアカリキュラム(案)の概要
 通級による指導の基礎基本として身につけておいて欲しいことである「A概論・基礎知識」、具体的なアセスメントから個別の指導計画に基づく指導・支援に関する「B教育的ニーズに応じた指導・支援」、具体的な指導のスキルの向上に関すること、通常の学級との連携や校内支援体制へのサポート、外部の専門機関との連携などに関する「C連携・協働」、の3つのカテゴリーで12の項目に整理しています。
 12項目についてそれぞれ解説と主な内容を取り上げ、項目ごとに「研修講座名(例)」と研修の「到達指標」からなるシラバスを作成しました。「到達指標」については、専門性を担保する担当者の力量として「中級」を想定し、はじめて担当する者は「初級」、地域で核となる人材もしくは指導的な立場の担当者としては「上級」の指標を設定しています。

 

 通級による指導の担当者の専門性に関する研修コアカリキュラム(案).pdf

 

 この研修コアカリキュラムは、研修の企画者が、地域の実態に応じて、教育や福祉の分野の発達障害者の支援者が、円滑に連携・協働による支援を進めることができるために必要な、基本となる専門性を身につけるための研修を企画することを目的として作成しています。ご質問等がある場合は、国立特別支援教育総合研究所発達障害教育推進センターへお問い合わせ下さい。