集団の中に入れないのですが・・・(※関連動画あり)
関連動画
こちらも併せてご覧ください。― 研修講義「(14)やりとりの苦手な子どもへの支援」
具体的なつまずきの例
しげき君は、友だちの輪の中に入って一緒に活動することが苦手です。休み時間は好きなアニメのキャラクターを描いていることが多く、自分から話しかけて、友だちの輪の中に入っていくことはほとんどありません。
そこで、先生はアセスメント(子どもの様子をじっくりと見て、どんなことが このつまずきに関連しているかを考えること)をしてみました。
担任の先生は、授業中のグループ活動を見ていて、しげき君がメンバーのやることを見ながら行動したり、一つ一つ指示されないと動けなかったりすることに気づきました。
ここで行われたアセスメントのポイント!
- 子どもの行動を観察することで、活動の手がかりとなっていることがらや行動を引き起こす要因について検討する
推測できるつまずきの要因
- あいまいな状況だと何をすればよいのか分からない
- 次に行うことが何か、どこまでできれば終了か等、一連の活動の見通しがもてない
- 分からないときに聞くことができない。もしくは聞く方法が分からない
指導編
具体的な指導・支援の例
アセスメントに基づいて、担任の先生は、次のような指導を行ってみました。
- グループの編成は、しげき君の特徴を理解している子どもを入れる
- 活動するテーマや手順をプリントに書いて示す
- グループ内で役割分担を行い、役割を明確にした後にグループでの活動を行うようにする
- 分からないことや聞きたいことがあったら、手を挙げるようにする
行った指導・支援の意味
グループの編成は、しげき君の特徴を理解している子どもを入れる
Aのように対人関係を苦手としている子どもの特徴を理解している子どもがグループに入ることで、ほかの子どもとの橋渡しの役目を果たすことが期待できます。ただし、その子どもの負担にならないように配慮することが必要です。
活動するテーマや手順をプリントに書いて示す
Bのように活動の手順をプリントにして確認できるようにすることで、いま行っている活動や次の活動が何かを理解し、見通しをもって行動することが可能となります。
グループ内で役割分担を行い、役割を明確にした後にグループでの活動を行うようにする
Cのように役割分担を明確にすることにより、自分が何をすればよいのかを理解し行動することができます。
分からないことや聞きたいことがあったら、手を挙げるようにする
Dのように疑問が生じたときにはどのように振る舞えばよいのかという約束があると、安心して活動に参加できたり、周囲の必要以上の支援を減らしたりすることができます。
【文責:佐藤 克敏】