過敏性があるのですが・・・(※関連動画あり)
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具体的なつまずきの例
ようこさんは人の気配や音に敏感で、学習や生活に支障をきたしています。
そこで、先生はアセスメント(子どもの様子をじっくりと見て、どんなことがこのつまずきに関連しているかを考えること)をしてみました。
先生やお母さんと話しているとき等に、別の人の気配を感じると、口に手をあて小声で話すことを求めたり、ようこさん自身もお母さんの耳元でささやくように話したりします。そのため、ようこさんの伝えたいことが聞き取れないこともあります。
また、ようこさんの通学路には大きな音量で音楽を流している商店があって、いつも両手で耳を押さえ身体を硬くして急ぎ足で通り過ぎます。しかし、音量が大きいだけに、耳を押さえなければならない距離はとても長く、手荷物があると自分で持つことができません。
ようこさんはまた、校外学習や行事に参加した後は、翌日以降、学校を休むほど疲れてしまいます。着用する衣類などの材質も限られていて、偏食もあります。
ここで行われたアセスメントのポイント!
- 子どもの様子を観察することで、本児の感覚の過敏性とそこから生じている辛さを理解する
- 過敏性が認められる状況について広く情報収集する
推測できるつまずきの要因
- 聴覚、触覚、味覚などの感覚に過敏性がある感覚が過敏で、感覚刺激に対する耐性が脆弱である
- 自分の感じていることを言語化することが難しい
- 自分の感じていることを、他者に伝えたいという気持が乏しい
指導編
具体的な指導・支援の例
アセスメントに基づいて、担任の先生は、次のような指導を行ってみました。
- 周囲にはわかりにくいものの、感覚に過敏性があることを認め、本児の様子を丁寧に観察することで辛さを理解する努力を重ね、本児には無理をさせない
- 周囲にはさほど問題にならないと思えることが本児には辛いことを説明して、仲間や先生方に感覚に過敏性があることを理解してもらう
- 感覚の過敏さからくる辛さに関しては、「大きな声、いや」等自分で感じていることを言えるように機会があるごとに教え、やがて自ら対処することができるように支援する
行った指導・支援の意味
周囲にはわかりにくいものの、感覚に過敏性があることを認め、本児の様子を丁寧に観察することで辛さを理解する努力を重ね、本児には無理をさせない
Aのように本児にある感覚の過敏性を認め、その辛さを理解することで、本児が耐え難い辛さのある状況の中で、必要以上に無理強いをさせないようにします。
周囲にはさほど問題にならないと思えることが本児には辛いことを説明して、仲間や先生方に感覚に過敏性があることを理解してもらう
Bのように、感覚の過敏性は他者には分かりにくい面があるので、接することの多い担任が理解できた部分を友だちやほかの先生たちに説明することで、本児の苦痛を理解してもらうことができます。
感覚の過敏さからくる辛さに関しては、「大きな声、いや」等自分で感じていることを言えるように機会があるごとに教え、やがて自ら対処することができるように支援する
Cのように感覚の過敏性からくる辛さを自分で表現する方法を学び、日常生活の中でいかすことにより、本児が不快に感じていることについて周囲が理解しやすくなり、協力や配慮が得られるようになります。
【文責:大柴 文枝】