後期中等教育段階以降
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【27】地域支援を進めるための教育相談手法を考える
- 段階
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乳幼児期段階
小学校段階
中学校段階
後期中等教育段階以降 - カテゴリ
- 支援体制に関すること
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「地域の支援を進める教育相談の在り方に関する実際的研究(平成19年3月)」より
キーワード: 学校コンサルテーション、地域支援、教育相談、センター的機能
【この研究では】
研究所の教育相談は、今まで障害のある幼児児童生徒本人やその保護者等への直接的な支援を実施してきましたが、今後、個別の教育相談は、各地域の特別支援学校が実施している特別支援教育のセンター的機能や地方の教育センター等が実施している教育相談に委ね、研究所はそれらに対して間接的な支援を行う機関コンサルテーションを主に実施することにしています。そのためには、各都道府県等における教育相談機関の自己解決能力の向上を推進し、その中で子どもを取り巻く総合的なアセスメント方法の開発や教育相談に関するコンサルテーション手法を開発することを考えました。これらのことを具現化するため、この研究では主に学校コンサルテーションに焦点をあて、研究を推進してきました。具体的には、(1)コンサルテーションは、どのような手続きや内容で実施されているのか、(2)コンサルテーションを実施する上での留意点はどのようなことか、(3)地域の支援をすすめる担当者の役割とは何か等について検討し、学校コンサルテーションの活用方途について明確にしました。
図 コンサルテーションの図式
【研究をして見えてきたこと】
研究を推進する中で、実際に学校コンサルテーションの対象事例として多くあげられたのは、発達障害のある幼児児童生徒に応対している担任や学校組織への支援についての事例です。実際にこれらの事例から学校コンサルテーションを推進するために学んだことは、次のようなことでした。
(1)コンサルタントがコンサルティの主訴を初回面接において整理することの大切さ、(2)コンサルタントがコンサルティの背後にいるクライアント(子どもや保護者等)の課題を共通理解し、今後の対応をコンサルティとともに考えることの大切さ、(3)コンサルテーションを行う上で、他機関と連携することの大切さ、そのためには、互いの気心がわかり合える関係を日頃から構築しておくことの重要性、等々です。研究を推進しながら、学校コンサルテーションについて整理し、コンサルテーションの進め方、通常の学校に在籍する気になる子どもの理解、特別支援教育コーディネーターの役割、校内支援体制の構築、地域における相談および支援体制、アセスメントの進め方、コンサルテーションの評価等についてあらためて考えることができ今後の取組例を積み重ねて「学校コンサルテーション」の確立を図る礎にしていこうと考えています。
【研究に関する情報】
この研究では、学校コンサルテーションに関する情報提供として、『学校コンサルテーションを進めるためのガイドブック‐コンサルタント必携‐』と『学校コンサルテーション ケースブック‐事例から学ぶ‐』を作成し、学校コンサルテーションの普及を図っています。『学校コンサルテーションを進めるためのガイドブック‐コンサルタント必携‐』は、二部構成で、第一部は、学校コンサルテーションの流れについて具体的な形で示し、それぞれの流れの中での具体的な行動と、基本的に押さえておきたいこと、知っておきたい情報等を記載しています。また、第二部では、「コンサルテーション」を進める際に知っておきたい情報をさらに詳しく理論的に解説し、支援の実際例も掲載しています。
『コンサルテーションケースブック‐事例から学ぶ‐』では、その実際的な取組から学校コンサルテーションの在り方を提案し、教育センター等や特別支援学校の先進的な取組を知ることで、学校コンサルテーションを進める際の準備、介入する際の配慮事項、支援がうまくいかないときの課題、コンサルタントが果たすべき役割等を具体的な実践から学べるように工夫しています。これらは、今後の教育相談の進め方や専門機関との連携、学校との連携等を考える際の一助となります。
さらに、この研究の続編として、平成19~20年度に専門研究C「地域の支援を進める教育相談の在り方に関する実際的研究‐そのII‐」を、現在、推進しているところです。
【研究組織】
後上鐵夫・伊藤由美・植木田潤・大崎博史・太田容次・大柴文枝・小澤至賢 ・亀野節子・久保山茂樹・小林倫代・ 笹森洋樹・當島茂登・原田公人
【研究課題名】
地域の支援を進める教育相談の在り方に関する実際的研究(平成18年度)
【もっと詳しくお知りになりたい場合は】
これらガイドブック、ケースブックについては、下記webページをご覧ください。
http://www.nise.go.jp/kenshuka/josa/kankobutsu/pub_b/b-216.html
http://www.nise.go.jp/kenshuka/josa/kankobutsu/pub_b/b-217.html
【本研究紹介シートの文責】
後上 鐵夫・大崎 博史
本研究紹介シートは、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所で行った研究を基に作成しています。