【4】障害のある子どもの教育課程についての海外の状況

「"21世紀の特殊教育に対応した教育課程の望ましいあり方に関する基礎的研究" "主要国における特殊教育に対応した教育課程の調査研究"(平成16年3月)」より 

 キーワード: 教育課程、特殊教育(特別支援教育)、イギリス、ドイツ、イタリア、アメリカ、フランス 

 


【PDF版】


【この研究では】
 主要国としてイギリス、ドイツ、イタリア、アメリカ、フランスを取り上げて、障害のある子どもの教育課程に関する調査を行っています。具体的には、下の枠内にあるような基礎情報を収集して、国別にまとめを行いました。イギリス、ドイツ、イタリア、フランスは訪問調査から、また、アメリアについては文献等からの情報を基に、その教育課程を整理しています。各国の教育制度や教育課程の実際とその課題がまとめられています。「まとめと今後の課題」では、この研究を踏まえた上で、わが国の教育課程の基準を検討する上での視点について述べています。当時、我が国は「特殊教育」から「特別支援教育」へと新たな教育の枠組みへ向かう時期であり、ナショナルセンターとしての政策に寄与する研究の1つとなりました。

 


主要国の教育課程に関する基礎情報の項目(報告書より)

 

【研究をして見えてきたこと】
 主要国における障害のある子どもに対応する教育課程について、その特徴と課題が明らかになりました。特に、(1)教育水準の向上とインクルージョンの展開、(2)対象とする子どもの拡大、(3)全ての子どもが基本的に同じ教育課程の基準を基礎とすることなど、特別支援教育と発達障害教育に大きく関わる課題が報告されています。また、個別指導計画の様式などの資料も掲載されています。

 

【研究に関する情報】
 本研究は、プロジェクト研究「21世紀の特殊教育に対応した教育課程の望ましいあり方に関する基礎的研究」(平成13年度~平成15年度)の外国調査グループが中心になり作成したものです。このプロジェクト研究では、この資料のほかに、盲・聾・養護学校教育課程調査資料報告書を合わせて報告しています。これらの報告は、「特別支援教育」をキーワードとして障害のある子どもの教育が大きく変わる時機を得た、政策に大きく寄与する研究であったと考えられます。


【研究組織】
  宍戸和成、徳永 豊、當島茂登、武田鉄郎、松村勘由、棟方哲弥


【研究課題名】
  主要国における特殊教育に対応した教育課程の調査研究(平成13年度~平成15年度)
  21世紀の特殊教育に対応した教育課程の望ましいあり方に関する基礎的研究

 

【もっと詳しくお知りになりたい場合は】
 こちらの報告書は、研究所webページにて全文掲載されています。
 http://www.nise.go.jp/kenshuka/josa/kankobutsu/pub_c/c-44.html#01


【本研究紹介シートの文責】
 棟方哲弥


本研究紹介シートは、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所で行った研究を基に作成しています。