令和5年度発達障害教育実践セミナー
「実 施 報 告」
令和6年1月25日(木)に「令和5年度発達障害教育実践セミナー」をオンラインで開催しました。本セミナーは、教師の人材育成を担う都道府県・指定都市の教育委員会及び教育センターの研修担当の指導主事等を対象とし、通常の学級における発達障害教育の充実に向けた人材育成に関する取組の推進に寄与することを目的として行いました。当日は、全国の都道府県から多数の参加をしていただき、Zoomで95件、YouTubeライブ配信で126件の接続がありました。
午前は、「個に応じた指導を支えるための校内体制の構築」をテーマとしたパネルディスカッションを行いました。教育センター(宮崎県)、学校(仙台市立中学校・通級指導教室)、大学(教員養成系教育学部)の立場にある3名のパネリストを迎え、それぞれの立場での取組の現状と課題や、今後の取組に向けた展望について協議をしました。
午後は、長野県教育委員会と徳島県立総合教育センターから、発達障害教育を担う人材育成に向けた取組や体制づくりについて取組紹介をいただきました。長野県からは、県で取り組まれている通級による指導の充実に向けた取組と課題、徳島県立総合教育センターからは、全県の小中学校等で取り組まれているP B S(ポジティブ行動支援)の実践についてお話をいただきました。
その後、参加自治体間で、「校内支援体制の整備」「切れ目ない指導・支援」「個に応じた指導・支援の充実」の3つのテーマに分かれて情報交換会を行いました。パネルディスカッションや取組紹介の内容も交えながら、各自治体における取組の成果や課題等について活発な意見交換が行われました。
最後に、文部科学省特別支援教育課特別支援教育調査官から、本セミナーの総括となる講話をいただきました。
参加された方からは、「事前動画により、現状と課題を把握できた」「パネルディスカッション、取組紹介では、本県でも課題となっていることについての話題であり、とても参考になった」「情報交換は短い時間でも他県の取組が分かり、今後の参考にしたいと思った」「総括で各取組内容に価値付けを行い、今後の自治体や都道府県の取組の方向性を示してくださり、午前からの内容が自分の中でもまとまったと感じた」などの御感想をいただきました。
実施要項
1.目的
文部科学省による「特別支援教育を担う教師の養成の在り方等に関する検討会議報告」(令和4年3月)では、教職養成課程における特別支援教育科目の充実や教員研修の充実、人事交流の推進等による教員の専門性の向上等について具体的方向性が示された。こうした中、当センターでは、通常の学級における発達障害教育の現状と課題を把握するとともに、指導にあたる教員の人材育成に向けた、発達障害教育に関する情報提供の在り方等について検討を進めている。
本年度の発達障害教育実践セミナーは、教師の人材育成を担う都道府県・指定都市の教育委員会及び教育センターの研修担当の指導主事等を対象とし、通常の学級における発達障害教育の充実に向けた人材育成に関する取組の推進に寄与する。
2.期日
令和6年1月25日(木)9:30-15:30
3.内容
テーマ 「通常の学級における発達障害教育の充実に向けた展望と人材育成」
【事前プログラム:オンデマンド講義】
「通常の学級における発達障害教育の充実に向けた期待」
全国特別支援学級・通級指導教室設置学校長協会
会長 品川区立第一日野小学校 校長 大関 浩仁 氏
「発達障害ナビポータルの紹介」
国立障害者リハビリテーションセンター 発達障害情報・支援センター
【当日プログラム:オンラインセミナー】
9:00-9:30 |
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午前の部 |
「個に応じた指導を支えるための校内体制の構築」 コーディネーター パネリスト 仙台市立八乙女中学校 教諭 伊藤 陽子 氏 常葉大学教育学部 教授 笹森 洋樹 氏 |
午後の部 |
「通級による指導の充実に向けた取組と課題」 「徳島県で取り組むポジティブ行動支援浸透のための実践~教師が変われば子どもが変わる~」
※テーマ別のグループにて実施
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4.対象
都道府県・指定都市の教育委員会及び教育センターの研修担当の指導主事等
その他:参考
◆ これまでの発達障害教育推進セミナー
令和元年度 https://cpedd.nise.go.jp/about_cpedd/katsudo/seminar/r1
令和2年度 https://cpedd.nise.go.jp/about_cpedd/katsudo/seminar/r2
令和3年度 https://cpedd.nise.go.jp/katsudo/seminar/r3
令和4年度 https://cpedd.nise.go.jp/katsudo/seminar/r4