概要
本研究所では、平成29年7月28日(金)に、一橋大学一橋講堂におきまして、
「平成29年度発達障害教育実践セミナー~通級による指導に期待されること~」を開催しました。
本セミナーは今年度がはじめての開催でしたが、定員の200名に達する多くの方々にご参加をいただきました。
午前は、基調講演とシンポジウムを行い、広く発達障害教育の理解推進が図られました。
午後は、分科会に分かれて活発なグループ協議を行い、盛況のうちに終了しました。
皆様の積極的なご参加、誠にありがとうございました。
開催チラシ
実施要項
内容
〔基調講演〕 これからの通級による指導に望まれること
講師 柘植 雅義 氏 (筑波大学人間系)
講師 柘植 雅義 氏 (筑波大学人間系)
基調講演では、筑波大学人間系教授の柘植雅義氏より、「これからの通級による指導に望まれること」をテーマに、「1.学級の歴史と通級の歴史」、「2.通級の意義と役割」、「3.通級の内容と方法」、「4.小学校・中学校の通級への期待」、「5.高等学校の通級への期待」、「6.幼稚園の通級への期待」の話題で講演をいただきました。
講演の中では、インクル―シブ教育システムが目指す共生社会の実現に向けては、通級による指導が担う役割がとても大きいというお話をいただきました。
参加者からは、「指導者としての意識の持ち方を考えさせられ、とても刺激になった」、「教育にもエビデンスが求められていることを知り、勉強になった」といった感想をいただきました。
〔シンポジウム〕 鼎談「通級による指導とわたし」
シンポジスト フワリさん(仮名)
堀川 淳子 氏 (元、通級による指導の担当)
田中 裕一 氏 (文部科学省特別支援教育課)
司 会 笹森 洋樹 (国立特別支援教育総合研究所)
シンポジウムでは、小学校時代に通級による指導を受けていたフワリさん(仮名、現在大学生)と、担当であった堀川淳子氏、文部科学省特別支援教育課の田中裕一氏をシンポジストとしてお迎えし、「通級による指導とわたし」をテーマに鼎談を行いました。
シンポジウムの中では、フワリさんの現在の状況や、通級による指導を受けていた当時を振り返り、楽しかった学習や、現在の学習や生活に繋がっている当時の指導内容などについてお話をいただきました。また、現在、通級による指導を受けている子どもたちに対するメッセージとして、通級による指導で学んだことは将来に繋がるということをお伝えいただきました。通級による指導を担当している先生方に向けては、できる限り子どもの気持ちに寄り添ってほしいというメッセージをいただきました。
参加者からは、「自身の通級による指導を振り返るきっかけとなった」、「通級を利用している本人と一緒に、指導・支援の内容、教育制度や教育現場を考えていくことの重要性を感じた」といった感想をいただきました。
〔研究パネル展示及び配信講義放映等〕
昼食休憩の時間帯に、当研究所で実施している研究を紹介するための研究パネル展示を行いました。当研究所の言語障害教育研究班、自閉症教育研究班、発達障害教育研究班のスタッフが各研究班の研究成果を説明し、参加者の皆様と活発に意見交換を行うことができました。あわせて、当研究所の発達障害教育推進センターWebサイトで配信している研修講義動画を放映しました。
昼食休憩の時間帯に、当研究所で実施している研究を紹介するための研究パネル展示を行いました。当研究所の言語障害教育研究班、自閉症教育研究班、発達障害教育研究班のスタッフが各研究班の研究成果を説明し、参加者の皆様と活発に意見交換を行うことができました。あわせて、当研究所の発達障害教育推進センターWebサイトで配信している研修講義動画を放映しました。
〔分科会〕
・第1分科会 的確な実態把握・アセスメントと効果的な指導
話題提供 山下 公司 氏 (札幌市立南月寒小学校)
助 言 名越 斉子 氏 (埼玉大学教育学部)
司 会 玉木 宗久 (国立特別支援教育総合研究所)
竹村 洋子 (国立特別支援教育総合研究所)
第1分科会は、「的確な実態把握・アセスメントと効果的な指導」がテーマでした。札幌市立南月寒小学校の山下公司氏から提供いただいた事例をもとに、「子どもの特性とそれにあった支援・指導方法」、並びに「通常の学級や中学校進学に向けた配慮」の2つの柱について協議を深めていただきました。後半は、山下氏より、ご自身が実際に取り組まれた支援や指導について解説をいただき、最後に、埼玉大学の名越斉子氏より、アセスメントや指導を考える時のポイントをわかりやすくお話いただきました。
参加者からは、「全国の先生方と事例検討ができたのは、とても勉強になった」、「事例からグループでアセスメントをして、答え合わせがあったところがよかった」といった声を多数いただきました。
名越斉子氏 助言資料
(山下公司氏 話題提供資料につきましては、個人情報保護のため、掲載いたしません)
・第1分科会 的確な実態把握・アセスメントと効果的な指導
話題提供 山下 公司 氏 (札幌市立南月寒小学校)
助 言 名越 斉子 氏 (埼玉大学教育学部)
司 会 玉木 宗久 (国立特別支援教育総合研究所)
竹村 洋子 (国立特別支援教育総合研究所)
第1分科会は、「的確な実態把握・アセスメントと効果的な指導」がテーマでした。札幌市立南月寒小学校の山下公司氏から提供いただいた事例をもとに、「子どもの特性とそれにあった支援・指導方法」、並びに「通常の学級や中学校進学に向けた配慮」の2つの柱について協議を深めていただきました。後半は、山下氏より、ご自身が実際に取り組まれた支援や指導について解説をいただき、最後に、埼玉大学の名越斉子氏より、アセスメントや指導を考える時のポイントをわかりやすくお話いただきました。
参加者からは、「全国の先生方と事例検討ができたのは、とても勉強になった」、「事例からグループでアセスメントをして、答え合わせがあったところがよかった」といった声を多数いただきました。
名越斉子氏 助言資料
(山下公司氏 話題提供資料につきましては、個人情報保護のため、掲載いたしません)
・第2分科会 通常の学級と通級による指導の連携と学びの連続性
話題提供 河合 良介 氏 (豊橋市立二川南小学校)
助 言 長澤 正樹 氏 (新潟大学教職大学院)
司 会 江田 良市 (国立特別支援教育総合研究所)
西村 崇宏 (国立特別支援教育総合研究所)
第2分科会では、「通常の学級と通級による指導の連携と学びの連続性」というテーマの下、豊橋市立二川南小学校の河合良介氏からの話題提供を踏まえて、通級による指導が通常の学級で生かされるために必要なことや工夫点、また、それらを支える仕組み(体制)や研修等について、グループ協議を行いました。その後、再び、河合氏から実践事例を含む話題提供をいただき、最後に、新潟大学教職大学院の長澤正樹氏より、学校全体で支援体制を構築するポイントについてご助言をいただきました。
参加者からは、連携のための具体的な方略や他の地域の取組を知ることができ、「通級による指導の担当として、自分がすべきことが明確になった」、「今後の指導や研修に活かせる材料を得ることができた」といった声をいただきました。
河合良介氏 話題提供資料
長澤正樹氏 助言資料
話題提供 河合 良介 氏 (豊橋市立二川南小学校)
助 言 長澤 正樹 氏 (新潟大学教職大学院)
司 会 江田 良市 (国立特別支援教育総合研究所)
西村 崇宏 (国立特別支援教育総合研究所)
第2分科会では、「通常の学級と通級による指導の連携と学びの連続性」というテーマの下、豊橋市立二川南小学校の河合良介氏からの話題提供を踏まえて、通級による指導が通常の学級で生かされるために必要なことや工夫点、また、それらを支える仕組み(体制)や研修等について、グループ協議を行いました。その後、再び、河合氏から実践事例を含む話題提供をいただき、最後に、新潟大学教職大学院の長澤正樹氏より、学校全体で支援体制を構築するポイントについてご助言をいただきました。
参加者からは、連携のための具体的な方略や他の地域の取組を知ることができ、「通級による指導の担当として、自分がすべきことが明確になった」、「今後の指導や研修に活かせる材料を得ることができた」といった声をいただきました。
河合良介氏 話題提供資料
長澤正樹氏 助言資料
・第3分科会 中学校、高等学校における「通級による指導」の在り方
話題提供 伊藤 陽子 氏 (仙台市立高砂中学校)
助 言 植木田 潤 氏 (宮城教育大学教育学部)
司 会 横山 貢一 (国立特別支援教育総合研究所)
半田 健 (国立特別支援教育総合研究所)
第3分科会では、「中学校・高等学校における通級による指導の在り方」をテーマとして、まず、仙台市立高砂中学校の伊藤陽子氏から通級指導教室の在り方についてお話がありました。その後、グループ協議を行い、最後に宮城教育大学教育学部の植木田潤氏より、ご助言をいただきました。
参加者からは、「地域、校種を超えて様々な情報交換をすることができ有意義であった」、「具体的な事例や実践例もグループの中で聞けたので今後の活動に生かせる」、「高校での特別支援教育の推進と通級による指導の制度化に向けてさらに意識を高めることができた」といった声をいただきました。
話題提供 伊藤 陽子 氏 (仙台市立高砂中学校)
助 言 植木田 潤 氏 (宮城教育大学教育学部)
司 会 横山 貢一 (国立特別支援教育総合研究所)
半田 健 (国立特別支援教育総合研究所)
第3分科会では、「中学校・高等学校における通級による指導の在り方」をテーマとして、まず、仙台市立高砂中学校の伊藤陽子氏から通級指導教室の在り方についてお話がありました。その後、グループ協議を行い、最後に宮城教育大学教育学部の植木田潤氏より、ご助言をいただきました。
参加者からは、「地域、校種を超えて様々な情報交換をすることができ有意義であった」、「具体的な事例や実践例もグループの中で聞けたので今後の活動に生かせる」、「高校での特別支援教育の推進と通級による指導の制度化に向けてさらに意識を高めることができた」といった声をいただきました。