後期中等教育段階以降

後期中等教育段階以降

【33】発達障害のある学生を支援するために

段階
後期中等教育段階以降
カテゴリ
子どもの特性、実態把握に関すること
指導法・支援方法に関すること
支援体制に関すること
理解啓発等に関すること

「発達障害のある学生に対する支援に関する研究(平成19年3月)」より

 キーワード: 発達障害、学生支援 

 


【PDF版】


【この研究では】
 近年になって、高等教育機関の発達障害のある学生の支援について事例研究等による報告がみられるようになってきました。また、本人たちが学会等のシンポジウムにおいて、自分の困難さについて報告することもあり、一部の相談員や研究者の間では高等教育機関における支援に関する課題意識が高まりつつあります。
しかしながら、全国的な発達障害のある学生の現状や支援の実態については明らかとなっておらず、今後高等教育機関における発達障害のある学生の支援を実施したり、施策に反映させたりするためにも、実態調査を行うことにより、日本の高等教育機関における発達障害のある学生支援の現状が明らかとなり、支援の在り方について提言することが可能となると考えられます。

 海外では、大学等における発達障害のある学生に対する支援は既に実施されており、支援の実態や支援プログラムなどが報告されています。

 しかしながら、我が国では大学が組織として支援している実態はほとんどみられず、研究もあまり進められておりません。支援体制や支援内容について本研究を通してこのケースブックを作成し、全国の大学・短期大学の教職員や学生相談室の相談員に対する理解を推進するための資料として提供しています。


【研究をして見えてきたこと】
 ケースブックの特徴は、

  1. 実際に発達障害のある学生に関わっている保健センターや学生相談センター等のカウンセラーや大学・高等専門学校の教員に依頼し、事例に基づいた支援のポイントを掲載したこと、
  2. 発達障害支援センター等の機関に依頼し、発達障害のある人たちが社会で生活するために必要な技能や大学教育に対する提言をまとめたこと、
  3. 国立特別支援教育総合研究所が実施した大学等の全国調査の結果や共同研究機関である独立行政法人日本学生支援機構が把握しているデータを整理し、現状と今後の課題を示したことです。

 

【研究に関する情報】
 平成18年度は、特に大学等の高等教育機関において、支援をどのように行うのかといったことに焦点をあてて、聞き取り調査を実施、各高等教育機関の実践例をまとめ、事例集として「発達障害のある学生支援ケースブック-支援の実際とポイント-」を作成しました。

 なお、本書は、平成16年12月から、独立行政法人 日本学生支援機構との共同研究として実施した「高等教育機関における発達障害のある学生に対する支援に関する研究」の報告書であり、かつ『発達障害のある学生支援ガイドブック-確かな学びと充実した生活をめざして-』の続編にあたります。


【研究組織】
 佐藤克敏、原田公人、渡辺哲也、徳永豊、涌井恵、小塩允護<執筆者一覧>東 桂子・伊東眞行・屋宮公子・小川 浩・河田将一・伊藤寛晃・葛西敬子・桐山雅子・久保田泰考・郷百合野・佐藤克敏・塩見 渉・鈴木佳子・苑田三鈴・竹渕香織・徳永 豊・畠山朝子・松尾秀樹・松岡美智子・松橋純子・山崎幸恵・山本佳子


【研究課題名】
 高等教育機関における発達障害のある学生に対する支援に関する研究(平成17年度~平成18年度)


【もっと詳しくお知りになりたい場合は】


【本研究紹介シートの文責】
 原田公人・渡辺哲也・植木田潤


本研究紹介シートは、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所で行った研究を基に作成しています。