指示を理解するための指導・支援
指示が理解できない場合には、注意が集中できないのか、聞いただけでは理解できないのか等の要因を明らかにする必要があります。その上で、視覚的な補助、復唱、聴写をする等の指導方法を組み合わせて、指示を理解する能力の改善を図ります。抽象的な指示や長文の指示、複数のことが含まれた指示は理解が難しいことが多いです。このため、具体的で簡潔な指示を理解できるようにするところから始めることが大切です。
こちらも併せてご覧ください
【文責:岡本 邦広(「教育支援資料」を参考)】
指示が理解できない場合には、注意が集中できないのか、聞いただけでは理解できないのか等の要因を明らかにする必要があります。その上で、視覚的な補助、復唱、聴写をする等の指導方法を組み合わせて、指示を理解する能力の改善を図ります。抽象的な指示や長文の指示、複数のことが含まれた指示は理解が難しいことが多いです。このため、具体的で簡潔な指示を理解できるようにするところから始めることが大切です。
【文責:岡本 邦広(「教育支援資料」を参考)】
伝えたいことを相手にうまく伝えられない場合には、その要因を明らかにする必要があります。うまく伝えられないことが繰り返されると、しばしば話すことに苦手意識が強くなって萎縮し、相手に思いや物事を伝えようという意欲と自信がなくなります。はじめは、単語でもよいので何かを伝えようとする意欲を高めるため、本人が言いたいと思われることを大人が代弁し、それに対応することや、うまく言えなくても話したことを理解して評価することが大切です。次いで、主語と述語の単純な文を言えるようにし、それができたら助詞についても使えるようにすることが大切です。急がず、本人の成長に合わせて指導・支援を進めることが必要です。
【文責:岡本 邦広(「教育支援資料」を参考)】
音読が苦手な場合には、聴覚的処理(文字を音声等に変換すること)に困難がある場合と、視覚的処理(視覚的な情報をとらえること)に困難がある場合があります。聴覚的処理に困難がある場合には、「がっこう」を「○○○○」ととらえられるようにする等、音を視覚的にとらえる指導・支援や支援機器を使って音声教材を繰り返し聞く等の指導・支援を行います。また、話しかけは音声言語の習得のモデルになるので、ゆっくり、はっきりと分かりやすく話しかけるようにし、本人が話す時もなるべくゆっくり、はっきり話すようにさせましょう。視覚的処理に困難がある場合には、文字単位ではなく、そのまとまりである単語全体としてとらえられるようにする指導・支援や文字を拡大したり、行間を広げたりすることができる教材を使って指導・支援を行います。
【文責:岡本 邦広(「教育支援資料」を参考)】
読解が苦手な場合には、関係する可能性のある要因を観察・検討してみましょう。苦手な文字は「かな」なのか「カナ」なのか、それとも「漢字」なのかを観察して何をどの程度苦手にしているかを検討しましょう。また、単語等の理解については、具体的な単語と抽象的な単語の理解に違いがあるか、助詞の理解に困難はあるのか等が分かるとどのような教材を用いるとよいのかが分かります。文章については、長い文章の理解が苦手なのか、短い文章でも理解が困難なのか、文章の内容の把握ができているか、文章中の指示語の理解ができているか、文章の内容の把握ができているか、文章中の指示語の理解ができているか、説明文と物語文のどちらの読解が苦手か等のつまずきの段階や要因を明らかにする必要があります。その上で、文章や段落ごとの関係を図示する、重要な箇所に印を付ける等の指導・支援を通じ、読解のための手段を身に付けられるようにします。
【文責:岡本 邦広(「教育支援資料」を参考)】
文字を正確に書くことが苦手な場合には、文字を思い出すことができないのか、細かい部分を書き間違えるのか、同じ音の漢字や形が似ているアルファベットと間違えるのか等のつまずきの要因を明らかにする必要があります。その特性に応じて、漢字の成り立ち等の付加的な情報や、文字の意味付け、文章や文字をなぞり書きを指導・支援する方法、あるいはこれらを組み合わせた指導・支援を行います。
【文責:岡本 邦広(「教育支援資料」を参考)】
作文を書く際の視点を養うための推こう課題に取り組んだり、「いつ」「どこで」「誰が」「何をして」「どう思ったか」等の質問形式から取り組み始めたりする等の工夫をしながら、作文の指導・支援を行います。
【文責:岡本 邦広(「教育支援資料」を参考)】
計算に困難さがある場合には、数の概念の未熟さ、記憶力の弱さ、視覚認知面の課題、思考力の弱さ等が考えられます。つまずきの要因を明らかにした上で、数概念の拡大や計算の手順の獲得をねらいとして、絵カード等の教材を活用して理解を進めます。また、繰り上がり等の考え方について具体物を活用したり、筆算の際にマス目のあるノートを使ったり、記号を用いて手順を示したりする等の指導・支援を行います。
【文責:岡本 邦広(「教育支援資料」を参考)】
算数(数学)の文章題が苦手な場合には、文章を記憶する力や、文章をもとに立式する思考力に弱さがあるのか等のつまずきの要因を明らかにする必要があります。その上で、その問題が何を問うているのか、手がかりは何なのか、どのような概念や公式が必要か等に着目させます。また、自分で文章題を作成したり、あるいは文章題を図に示したりする等の指導・支援を行います。
【文責:岡本 邦広(「教育支援資料」を参考)】
図形を含む課題が苦手な場合には、視覚認知能力や空間操作能力、器具の扱いに困難があるのか等の要因を明らかにする必要があります。その上で、間違い探し、回転課題、基本的な図形の学習、図形の特徴や操作を言葉に直す等の指導・支援を行います。
【文責:岡本 邦広(「教育支援資料」を参考)】
位置や空間を把握することが苦手な場合には、身近な物の位置関係をどの程度把握しているかを明らかにする必要があります。その上で、ボディーイメージの形成や空間での位置関係を把握するために、学校周辺の地図を作成するといった実際に体験できる活動を取り入れたり、パズルや積み木模様の構成等を行ったりします。
【文責:岡本 邦広(「教育支援資料」を参考)】
通級による指導を受けている場合には、子どもの状態等に応じ、学習障害の状態の改善・克服を図る特別の指導のほか、各教科の補充的な学習をすることも効果的です。これは、LDが原因となって各教科の学習につまずきが見られる場合に行います。通級による指導(LD)での授業時数は、年間10~280単位時間が標準とされています。
例えば、特異な認知の仕方に応じた指導方法の工夫や、苦手な能力を他の能力で補完する手法の工夫(例:文字による伝達を音声による伝達に替える)を行って、各教科の補充指導を実施すること等が考えられます。
【文責:岡本 邦広(「教育支援資料」を参考)】
LDに見られる困難は、いくつかの要因が重なり合って起こることがあることに留意する必要があります。例えば、位置や形をとらえることの困難により、相手の表情の変化が読み取れない場合があります。また、読み書きの困難によって語彙が乏しくなり、ソーシャルスキルの習得、コミュニケーション能力の発揮や対人関係の困難さとなって現れる場合があり、これらに対応することも重要です。
さらに、LDにより自己評価の低下が見られる場合には、自己理解や自己有能感を高めることも大切です。これらについても、子どもの実態に応じて指導・支援をすることが必要です。
【文責:岡本 邦広(「教育支援資料」を参考)】